-
介護施設の種類と選び方|特養・老健・グループホームの違いを解説
- 介護の基礎知識
- 2026.06.12
「親を施設に入れたほうがいいのか、まだ自宅で介護を続けられるのか」
ケアマネジャーとして、ご家族からこの相談を受けることがとても多いです。在宅介護を続けたい気持ちと、これ以上は難しいという現実の間で悩まれている方がほとんどです。
施設入所を検討し始めた時にまず困るのが「施設の種類が多すぎて、何がどう違うのか分からない」ということではないでしょうか。
この記事では、福岡市東区を中心にケアマネとして多くのご利用者の施設入所をサポートしてきた経験から、主な介護施設の種類と、選ぶ時のポイントを分かりやすく整理します。
介護施設は大きく4つに分けられる
介護施設にはさまざまな種類がありますが、利用目的で大きく4つに分類できます。
1. 生活の場として長期的に入所する施設
特別養護老人ホーム(特養)、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など2. リハビリをして自宅復帰を目指す施設
介護老人保健施設(老健)3. 認知症の方が少人数で暮らす施設
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)4. 一時的に利用する施設
ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
特別養護老人ホーム(特養)
特養は、要介護3以上の方が対象の公的な介護施設です。「終の住みか」として、亡くなるまで入所し続けることができます。
費用の目安(月額)
介護保険の自己負担分と食費・居住費を合わせて、月額8万円から15万円程度が目安です。所得に応じた軽減制度(特定入所者介護サービス費)があり、住民税非課税世帯であれば月額5万円から8万円程度に抑えられるケースもあります。メリット
- 費用が比較的安い(有料老人ホームと比べて)
- 24時間の介護体制がある
- 看取りまで対応してくれる施設が多い
デメリット
- 入所待ちが長い(福岡市東区の特養でも、半年から1年以上待つことがある)
- 要介護3以上でないと原則入所できない
- 個室ではなく多床室の場合、プライバシーが限られる
向いている方
要介護度が高く、在宅介護が困難になった方。長期的な入所を希望し、費用を抑えたい方。
介護老人保健施設(老健)
老健は「自宅に帰ること」を目標にリハビリを行う施設です。入所期間は原則3か月から6か月程度で、定期的に退所の判定が行われます。
費用の目安(月額)
月額9万円から16万円程度。特養と同様に所得に応じた軽減制度があります。メリット
- 理学療法士や作業療法士によるリハビリが受けられる
- 医師が常駐しているため、医療面の安心感がある
- 特養より入所しやすい(待機期間が短い傾向)
デメリット
- 入所期間に制限がある(長期入所はできない)
- 自宅復帰が難しい場合、退所先を探す必要がある
向いている方
骨折や脳卒中の後にリハビリをして自宅に帰りたい方。特養の入所待ちの間に利用したい方。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームは、認知症の診断を受けた方が5人から9人の少人数で共同生活を送る施設です。家庭的な雰囲気の中で、料理や洗濯などの日常生活をスタッフと一緒に行いながら暮らします。
費用の目安(月額)
月額12万円から18万円程度。施設によって差が大きいです。メリット
- 少人数のため、スタッフの目が行き届きやすい
- 家庭的な環境で穏やかに過ごせる
- 認知症ケアに特化した専門スタッフがいる
デメリット
- 認知症の診断と、施設のある市区町村に住所があることが入所条件
- 医療的なケアが必要になると退去を求められることがある
- 費用は特養より高い
向いている方
認知症があり、自宅での生活が難しくなってきた方。大規模な施設より家庭的な環境を希望する方。
有料老人ホーム
有料老人ホームには「介護付き」と「住宅型」の2種類があります。
介護付き有料老人ホームは、施設のスタッフが直接介護サービスを提供します。介護度が上がっても同じ施設で暮らし続けられるのが特徴です。
住宅型有料老人ホームは、住まいとしての機能が中心で、介護が必要になった場合は外部の訪問介護やデイサービスを利用します。
費用の目安
入居一時金が0円から数百万円、月額は15万円から30万円以上と幅が広いです。施設の設備やサービス内容によって大きく異なります。向いている方
費用に余裕があり、設備やサービスの質を重視したい方。要介護度が低いうちから入居して、将来の介護にも備えたい方。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サ高住はバリアフリー構造の賃貸住宅で、安否確認と生活相談のサービスが付いています。介護施設ではなく「住宅」なので、比較的自由な生活ができます。
費用の目安
月額10万円から20万円程度(家賃+管理費+食費)。介護サービスは別途、外部のサービスを利用します。向いている方
自立度が高く、一人暮らしに不安がある方。自分のペースで生活したいが、いざという時の見守りがほしい方。
施設を選ぶ時の5つのポイント
1. 入所の目的を明確にする
「自宅に帰ることを目指すのか」「長期的に暮らす場所を探しているのか」で選ぶ施設が変わります。まずこの点をご家族で話し合ってください。
2. 費用の見通しを立てる
入所が10年以上になることも珍しくありません。月額費用だけでなく、年金収入や貯蓄から長期的に支払い続けられるかを計算してください。
3. 実際に見学する
パンフレットやホームページだけでは分からないことが多いです。施設の雰囲気、スタッフの対応、入居者の表情、食事の内容、清潔さなどは、現地に行かないと判断できません。最低でも2か所から3か所は見学することをお勧めします。
4. 医療体制を確認する
持病がある方は特に重要です。「夜間に看護師がいるか」「協力医療機関はどこか」「入院が必要になった時の対応」を必ず確認してください。
5. ケアマネジャーに相談する
ケアマネジャーは地域の施設情報に詳しく、ご本人の状態に合った施設を提案できます。入所の申し込みや手続きのサポートも行いますので、一人で探す前にまずご相談ください。
在宅介護と施設入所、どちらが正解か
「施設に入れるのは申し訳ない」と罪悪感を感じるご家族は多いです。しかし、介護者が心身ともに限界を迎えてしまっては、ご本人にとっても良い結果にはなりません。
大切なのは、ご本人とご家族の両方が安心して暮らせる選択をすることです。在宅介護を続ける場合も、施設入所を選ぶ場合も、ケアマネジャーが一緒に最善の方法を考えます。
施設の情報は日々変わりますし、空き状況も流動的です。「まだ先のこと」と思っていても、早めに情報収集を始めておくことで、いざという時に慌てずに済みます。
介護施設について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
サードプレイスケアプランセンター
福岡市東区箱崎2丁目10-8 藤野ビル2F
介護のご相談・お問い合わせはこちら
居宅介護支援(ケアプラン作成)について詳しく見る
サードプレイスの関連サービス:
-
カテゴリ
介護の基礎知識