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梅雨時期の在宅介護で気をつけること|転倒・カビ・食中毒対策

  • 介護の基礎知識
  • 2026.06.12

梅雨に入ると、在宅で介護をしているご家族から「最近、親の調子が悪くて」という相談が増えます。

実は梅雨の時期は、高齢者にとって体調を崩しやすい季節です。湿度が上がることで身体がだるくなり、活動量が減る。雨で床が滑りやすくなり、転倒のリスクが上がる。気温と湿度の上昇で食中毒やカビの心配も出てくる。

福岡市東区で居宅ケアマネとして多くのご利用者を担当してきた経験から、梅雨の時期に特に気をつけていただきたいポイントをまとめました。


転倒リスクが高まる理由と対策

梅雨の時期に転倒事故が増える原因は主に3つあります。

床が濡れて滑りやすくなる

玄関や浴室だけでなく、窓を開けた際に雨が吹き込んでフローリングが濡れることがあります。高齢者は足の感覚が鈍くなっているため、床が濡れていることに気づかずに滑ってしまうケースが少なくありません。

対策としては、玄関に吸水マットを敷く、廊下に滑り止めテープを貼る、雨の日は室内でもスリッパではなく滑りにくい靴下やルームシューズを履いてもらうことが効果的です。

気圧の変化で体調が不安定になる

低気圧が近づくと、関節痛やめまい、頭痛を訴える高齢者が増えます。特に膝や腰に痛みがある方は、痛みをかばって歩き方が不安定になり、転倒につながることがあります。

天気予報で気圧の変化が大きい日は、無理に外出せず、室内での活動を優先するのが安全です。

活動量が減って筋力が落ちる

雨が続くと外出の機会が減り、1日中座っている時間が長くなります。たった1週間でも活動量が落ちると、高齢者の筋力は目に見えて低下します。

デイサービスを利用している方は、雨の日でも休まずに通所することが大切です。送迎がありますので、雨に濡れる心配はほとんどありません。自宅では、椅子に座ったままできる足の運動(かかとの上げ下ろし、足踏みなど)を1日数回行うだけでも筋力維持に効果があります。


カビ対策は健康に直結する

高齢者はカビが原因で体調を崩しやすい傾向があります。特に注意が必要なのは以下の3つです。

呼吸器への影響

カビの胞子を吸い込むことで、咳が止まらなくなったり、喘息のような症状が出ることがあります。免疫力が低下している高齢者は特に影響を受けやすく、肺炎に進展するケースもあります。

エアコンのカビ

久しぶりにエアコンをつけた時に出るカビ臭は、室内にカビの胞子をまき散らしている状態です。梅雨入り前にエアコンのフィルター掃除を行い、可能であれば専門業者によるクリーニングを依頼してください。

浴室・洗面所のカビ

入浴介助をしている場合、浴室のカビは介護者・要介護者双方の健康リスクになります。入浴後に壁や床の水分を拭き取る、換気扇を回し続ける、窓があれば開けて換気するなどの習慣が予防になります。

対策のポイントは「換気」と「除湿」です。雨でも短時間の換気は有効です。部屋の対角線上にある窓を2か所開けると、効率よく空気が入れ替わります。除湿機やエアコンの除湿機能を活用して、室内の湿度を60%以下に保つことを目安にしてください。


食中毒を防ぐために

梅雨から夏にかけては食中毒の発生件数が増加します。高齢者は食中毒にかかると重症化しやすいため、普段以上の注意が必要です。

訪問介護を利用している場合

ヘルパーが調理を行う生活援助サービスでは、衛生管理の基準に沿って調理しています。ただし、作り置きのおかずを室温で長時間放置すると細菌が増殖します。調理後は速やかに冷蔵庫に入れ、食べる前に十分に加熱してください。

ご家族が食事を届ける場合

おかずを届ける際は、保冷バッグやクーラーボックスを使いましょう。特にご飯やおかずを常温のまま数時間置いておくのは危険です。電子レンジで温め直す習慣をつけていただくだけで、リスクは大きく下がります。

冷蔵庫の温度チェック

高齢者のお宅を訪問すると、冷蔵庫の設定温度が「弱」になっていたり、食品を詰め込みすぎて冷えが悪くなっていることがよくあります。冷蔵庫内の温度が10度以上になると、食中毒菌が急速に増殖します。「強」または「中」に設定し、定期的に庫内を整理してください。


熱中症にも注意が必要

梅雨の時期は「まだ夏じゃないから」と油断しがちですが、湿度が高い日は汗が蒸発しにくく、体温調節がうまくいかなくなります。

高齢者は暑さを感じにくく、のどの渇きも自覚しにくいため、気づかないうちに脱水症状になっていることがあります。

ケアマネとして訪問するたびにお伝えしているのは「のどが渇く前に水分を摂る」ことです。1日の目安として、食事以外で1,000ml程度の水分を摂ることを意識してください。一度にたくさん飲むのではなく、1時間に1回コップ半分程度をこまめに飲むのが効果的です。


梅雨の時期こそ介護サービスを活用する

雨が続くと、ご家族の介護負担も増えがちです。外出できないことでご本人のストレスがたまり、介護する側も気持ちの余裕がなくなる。そんな悪循環に陥りやすい時期です。

こういう時期こそ、デイサービスやショートステイ、訪問介護などの介護サービスを上手に活用してください。「雨だからデイサービスを休ませよう」と思いがちですが、むしろ雨の日こそ通所して、専門スタッフのもとで安全に活動してもらうほうが良い結果につながります。

介護保険のサービスについて分からないこと、利用を検討していることがあれば、お気軽にご相談ください。ケアマネジャーが、ご本人とご家族の状況に合った介護プランをご提案します。


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