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要介護認定の流れと認定調査の受け方|福岡市
- 介護の基礎知識
- 2026.06.07
要介護認定は、介護保険のサービスを利用するために必要な手続きです。認定の結果(要支援1から要介護5)によって、利用できるサービスの種類や量が決まります。
要介護認定の全体の流れ
- 申請(区役所の窓口、またはケアマネジャーによる代行)
- 認定調査(調査員がご自宅を訪問)
- 主治医意見書の作成
- 一次判定(コンピューターによる判定)
- 二次判定(介護認定審査会での審査)
- 結果の通知(申請から約30日)
認定調査で気をつけること
家族が同席する
ご本人は調査員の前で普段よりしっかりしてしまうことがよくあります。日常の様子は、家族から補足して伝えることが重要です。
普段の状態を伝えるメモを用意する
調査当日に伝え忘れを防ぐため、1日の生活パターン、できること・できないこと、転倒の頻度、物忘れの具体的なエピソード、夜間の様子などをメモにまとめておくと便利です。
「頑張らなくていい」と本人に伝えておく
「普段通りでいい。できないことはできないと言っていい」と事前に伝えておきましょう。
要介護度の区分と利用できるサービス
区分 利用限度額(月額・1割負担)。令和8年7月現在の単位数に、福岡市の1単位10.45円をかけた金額です 要支援1 約5,258円 要支援2 約11,004円 要介護1 約17,519円 要介護2 約20,591円 要介護3 約28,265円 要介護4 約32,330円 要介護5 約37,846円 結果に納得できない場合
認定結果が実際の状態と合っていないと感じた場合は、「区分変更申請」を行うことができます。ケアマネジャーに相談すれば手続きを進めてくれます。
認定結果が届く前にサービスを使いたい場合
「暫定ケアプラン」を作成することで、認定結果が届く前からサービスを利用できます。ケアマネジャーと相談して進めてください。
認定調査の当日は何が起きるのか
申請を出したあと、多くのご家族が不安になるのが認定調査の当日です。何をされるのか分からないまま迎えると、それだけで身構えてしまいます。おおまかな進み方を先に知っておくだけで、当日の落ち着き方がまるで違います。
福岡市の場合、訪問するのは市の職員か、調査を委託された事業者の介護支援専門員です。名札と証明書を持っていますので、玄関で確認していただいて構いません。訪問先はご自宅が基本ですが、入院中や施設に入所中であれば、その病室や居室で行われます。私たちが立ち会う場面では、1時間前後で終わることが多い印象です。
当日は、調査員がご本人と向かい合って質問し、実際に体を動かしてもらう場面もあります。寝返りができるか、立ち上がれるか、片足で立てるかといった項目は、口頭で聞くだけでなく、その場でやってみせてもらうことがあります。転倒の心配があるときは、無理をせず「普段はここで支えています」と伝えてください。できないことを無理にやらせる調査ではありません。
調査票は、概況調査、基本調査、特記事項の3つで構成されています。概況調査には、家族の状況や住まいの環境、今使っているサービス、日常的に使っている福祉用具などを書きます。ここに書かれた背景が、あとの審査で判断材料になります。同居の家族が日中は仕事で不在といった事情も、遠慮せず伝えてください。
基本調査で実際に聞かれること
基本調査は74項目あり、内容は大きく5つのまとまりと、過去14日間に受けた特別な医療に分かれています。何を聞かれるか分かっていれば、答えに詰まって「だいたいできています」と流してしまう事故を防げます。
身体機能と起居動作
麻痺や関節の拘縮の有無、寝返り、起き上がり、座っていられるか、立ち上がり、歩行、片足での立位、体を洗う、つめを切る、視力、聴力などです。ここでご家族がつまずきやすいのは、手すりや杖を使ってできることを「できる」と答えてしまう場面です。何につかまっているのか、誰かが横についているのかまで、その場で口に出してください。
生活機能
移乗、移動、飲み込み、食事、排尿、排便、口の清潔、洗顔、整髪、上着やズボンの着脱、外出の頻度などです。排泄の項目は、ご本人の前で答えにくく、実際より軽く伝わってしまいがちです。夜間だけ失敗がある、間に合わないことが週に何回かある、といった頻度が大事になります。
認知機能
意思を伝えられるか、毎日の日課が分かるか、生年月日や年齢を言えるか、短期記憶、自分の名前、今の季節、今いる場所の理解、外に出て戻れなくなることがあるか、などです。調査の場では、ご本人がしっかり受け答えできてしまうことがよくあります。その日だけ整っていたのであれば、あとで別室や玄関先で調査員に補足してください。
精神と行動の面
物を盗られたと言う、事実と違う話をする、感情が不安定になる、昼と夜が逆になる、同じ話を繰り返す、大声を出す、介護に抵抗する、落ち着きがない、1人で出ていってしまう、物を集める、物を壊す、独り言や独り笑い、自分勝手な行動、話がまとまらない、といった項目が並びます。ご本人の目の前では言いづらい内容ばかりです。だからこそメモが役に立ちます。
社会生活への適応
薬を自分で飲めるか、お金の管理、日常の物事を自分で決められるか、集団の中で過ごせるか、買い物、簡単な調理などです。「薬は飲めています」と答えたくなりますが、家族が一包化して声をかけて、飲んだかどうか確認しているのであれば、それは介助が入っている状態です。
特記事項と主治医意見書が結果を左右します
数字に表れない困りごとは特記事項に残ります
基本調査の回答は、コンピュータによる一次判定にかけられます。厚生労働省の説明では、調査結果から介護の手間を推計し、要介護認定等基準時間という物差しを出す仕組みです。この時間は実際にかかっている介護時間そのものではなく、あくまで判定のための目安として使われます。
ここで大事なのが特記事項です。調査員が書く自由記述の欄で、選んだ選択肢の根拠、実際にかかっている手間、その頻度を記載します。一次判定の数字だけでは伝わらない事情は、この欄を通して介護認定審査会に届きます。福岡市では、一次判定の結果に主治医意見書などを合わせて、保健と医療と福祉の専門家で構成される福岡市介護認定審査会が審査します。
ですから、当日にお伝えいただきたいのは、うまい説明ではなく具体的な出来事です。「先週、夜中に2回起こされて、そのたびに着替えを替えた」「歩けるが、玄関の段差だけは必ず手を貸している」といった話が、そのまま特記事項の材料になります。
主治医意見書は市から医師へ依頼されます
意見書はご家族が病院に取りに行くものではありません。福岡市から主治医へ直接、心身の状況について作成を依頼します。ご家族がすることは、申請書に主治医と医療機関を正しく書くことです。
つまずきやすいのは、しばらく受診していないケースです。何年も顔を見ていない医師に依頼が届くと、書ける材料がなく、記載が薄くなります。申請の前後で一度受診し、自宅での様子を医師に伝えておいてください。物忘れが増えた、転んだ回数、食事量の変化、夜間の様子など、診察室では見えない情報ほど価値があります。複数の科にかかっている場合は、全身の状態をいちばん把握している医師を選ぶのが無難です。
結果が届いたあとに確認していただきたいこと
認定結果は、原則として福岡市が申請を受理した日から30日以内に通知されることになっています。届いたら、要介護度だけでなく有効期間も必ず見てください。福岡市では、新規と区分変更の場合は6か月後の月末まで、更新の場合は12か月後の月末までが原則です。状態の変化が予測される場合は短縮されることも、状態が安定していれば延長されることもあります。
認定を待たずに暫定のケアプランでサービスを使っていた場合は、ここで精算の話が出てきます。認定の効力は申請日にさかのぼるため、申請日から認定日までの利用は保険の対象になります。ただし、認定の結果が暫定ケアプランで想定した要介護度より低かったとき、あるいは非該当だったときは、その分の費用が全額自己負担になります。福祉用具を何点も入れてから軽い認定が出て、あわてて返却したという場面を実際に見ています。急いで使い始めるときほど、想定より一段軽い結果が出ても払える範囲に抑えておくのが安全です。
結果が想定と違ったときの道は2つあります。1つは区分変更の申請です。有効期間の途中で心身の状態が変わり、今の要介護状態区分に該当しなくなった場合に申請できます。手続きは新規の申請と同じで、あらためて認定調査が行われます。もう1つは審査請求です。福岡県が設置する介護保険審査会に対して行うもので、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う必要があります。福岡県の案内では、審査には少なくとも4か月から6か月程度かかるとされています。
現場の感覚でいえば、退院直後や状態が下がってきているときは区分変更のほうが早く生活に反映されます。調査そのものの進め方や判定の手続きに納得できないという場合に、審査請求が選択肢になります。迷ったときは、担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに一度相談してください。
要介護認定の流れについてよくあるご質問
認定調査は何分くらいかかりますか
内容やご本人の状態によりますが、私たちが立ち会う場面では1時間前後で終わることが多いです。質問の数が74項目ありますので、途中で疲れてしまうようであれば、休憩を挟んでもらって構いません。
家族が同席できない日に調査が入りそうです
日程は調整できますので、ご家族が同席できる日を伝えてください。どうしても難しいときは、普段の様子を書いたメモを用意して調査員に渡し、後日電話で補足するという方法もあります。ご本人だけで答えると、実際より軽く判断されやすくなります。
調査の日だけ本人が張り切ってしまいます
とてもよくあることです。その場で否定すると本人の自尊心を傷つけますので、調査が終わったあとに玄関先や別室で調査員に伝えてください。調査員はそうした補足を受け取ることに慣れています。
結果が届く前にサービスを始めても大丈夫ですか
制度上は可能です。ただし想定より軽い認定や非該当が出ると全額自己負担になりますので、必要最小限から始めることをおすすめします。
認定を受けたあと、状態が急に悪くなったらどうなりますか
有効期間の途中でも区分変更の申請ができます。入院や骨折のあとなど、生活が大きく変わったときは早めに動いたほうが、必要なサービスを組み直しやすくなります。
申請そのものの手順を知りたいのですが
窓口、郵送、オンラインの3通りの申請方法と必要書類は、介護保険の申請方法|福岡市東区の窓口と流れを解説にまとめています。
まとめ
要介護認定は、適切な介護サービスを受けるための第一歩です。認定調査では「普段の状態をありのままに伝える」ことが最も大切です。
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